太宰令(たいさいれい)は、中国の秦と漢の時代にあった官職である。祭祀の供え物を掌った。春秋時代以前、晋の時代以降には、太宰という官職があったが、地位も職務も異なる。
歴史
春秋時代までの太宰
宰は肉を扱う料理人である。太宰は殷・周の頃からあり、王の家政をとりしきったようである。文献では春秋時代の宋や呉にも見える。
秦
漢を興した劉邦は、高祖2年(紀元前205年)に昔の秦の祝官を召し、太祝と太宰を復した。前漢初期の官制・官名は全般に秦の制度を踏襲しているので、秦の制度も前漢の太宰令以下と同じであろう。
前漢
前漢の太宰令は、奉常(後に太常)の属官(部下)であった。次官として丞(太宰丞)がついた。『漢書』顔師古注が引用する『漢儀注』によれば、太宰令には屠者72人、宰200人が属したという。
後漢
後漢でも太常に属した。職務は、「鼎・俎・饌具(供えるための器物)の製作と、国の祭祀で饌具をならべる」ことである。秩石は600石。丞(太宰丞)が一人ついた。
晋以後の太宰
儒教経典にそった制度を復興させようという機運から、晋の建国時には太宰、太傅、太保が三公として設けられた。祭祀のためには祭酒令を置いた。この後、太宰があるときには三公として置かれることとなり、太宰令はなくなった。
脚注
参考文献
- 司馬遷『史記』
- 小竹文夫・小竹武夫訳『史記』1から8、筑摩書房、ちくま学芸文庫、1995年。
- 班固著、『漢書』
- 小竹武夫訳『漢書』1から8、筑摩書房、ちくま学芸文庫、1998年。
- 大庭脩監修、漢書百官公卿表研究会『『漢書』百官公卿表訳注』、朋友書店、2014年。
- 司馬彪『続漢書』(范曄『後漢書』に合わさる)
- 渡邉義浩訳、劉昭注『後漢書』志一、二(早稲田文庫)、早稲田大学出版部、2023年、2024年。
- 房玄齢他『晋書』。
外部リンク
- 中央研究院・歴史語言研究所「漢籍電子文献資料庫」。




